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★お返事と妄想と時々ネタバレ★
2024/11/27  [PR]
 

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白雪綱と7人の柄の悪い大人たち

!!キャラ崩壊注意!!


ある国の綺麗な森にそれはそれは可愛い男の子が生まれました。
肌が雪のように白かったので白雪綱と名付けられました。綱、は何となくです

白雪綱は自称守護者の男たち6人と自称家庭教師1人とたまにボコられながらも楽しく暮らしていました
柄の悪い大人たちは大体は破壊行為をして過ごしています。

白雪綱が健やかに成長した頃、森の麓に住む女王様がいつものように魔法の鏡に訊きました。
「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰だい?」
「白雪綱です」
「誰だそれえええ!!!」
怒り狂った女王様は鏡に無理を言って白雪綱を映し出させました。
そこに映った白雪綱を見た女王は「まぁ…可愛いからいいか」とあっさり許しました。更に「私にもこんな息子が居たらよかった。本当は寂しかっただけなの」といらんことまで言って鏡を困惑させました。

そんなことも露知らず、白雪綱は散歩へ出掛けていました。
道の途中に赤いリンゴが落ちていて、白雪綱はわあと目を輝かせました。
拾い食いはするなと自称家庭教師に散々ボコられているのに、白雪綱は躊躇わず拾い食いをしました。
そしたらたまたま毒りんごでした。

いつまで経っても帰って来ない白雪綱に青筋を立てながら探しに来た自称家庭教師は、りんごを手に握ったまま倒れている白雪綱を見付けました。
「こいつは…」
歩み寄ってしゃがむと、白雪綱の手のりんごを眼光鋭く見遣る。
「ちっ、また拾い食いか」

殴ってもひっぱたいでも起きないので襟首を掴んで引き摺るようにアジトに持って帰りました。

守護者たちは白雪綱を見ると口々に言いました。
「やれやれまた拾い食いか」
「何、また拾い食いしたの」
「極限に拾い食いだな」
「ツナはよく食うのな~」
「マジで拾い食いが好きなお方だぜ」
「本当に意地汚いですね」
家庭教師は帽子の影で鋭く目を光らせはっきりと言いました。
「そうだ。拾い食いだ」
もう間違えようがありません
みんな白雪綱の癖を熟知しているようです

白雪綱を適当に寝かせて、競馬中継を見たり賭け花札をしたり銃を乱射したり、みんな思い思いに過ごしていました
銃を乱射していた一人の男がふと顔を上げました
「拾い食いして寝ちまったんなら、毒でも入ってたんじゃね?」
まともなことを言いました。ごく稀にまともなことも言います。ごく、稀にです。ごくごく、稀にです

試しに叩いてみたり床にお菓子を置いて拾い食いの罠を仕掛けてみたりしましたが、白雪綱は一向に起きません。
それなのでどうしたら起きるか緊急会議が開かれました。

「マキシマムキャノンをぶちこめば起きるか死ぬかのどっちかだな」
「馬鹿じゃねぇの。そんなことしたらマジでマキシマムでキャノンになるだろが」
「死ねや!」
「王子にキスされたら起きるって聞いたことあるんだけど」
「乙女発言乙~」
「っていうかマジキモイんですけど~」(髪をいじりながら)
「死ねや!」
「二度と生き返るな!」
「は?なになに、誰か生き返ったことあんの?」
「じゃあ生き返ったことある奴手ぇ挙げて」
「は?マジで?何生き返っちゃってんの?」
「マジ10秒心臓止まったかんね」
「マジ?心臓の10秒長いよ?」
「じゃあオレ15秒で」
「じゃあって何ですか」
「じゃあオレ20秒」
「はあ?じゃあって言いましたよね明らかに後付けですよね。証明してみろ。何時何分何十秒か言ってみろ」
「地球が何回回ったときだよ」
「って言うかさっき生き返った奴手を挙げろって言ったよね。何で挙げないんだよ。耳にぴったり腕くっ付けて挙げろよ!」

そんなこんなで真面目に話し合っていると、白馬に乗ったリーゼントの王子様が現れました。
「あいつ間違ってね?」
「マジウザイんですけど~」(髪をいじりながら)
「何かムカツク」
「ボコっちまおうぜ」
 ↓
王子様はぼこられました(ごめんね草○さん)

少しすっきりしたので話し合いが再開されましたが、その中の一人の男がそっと部屋を抜けて白雪綱の元へ向かいました。

白雪綱の周りの大人たちはイケメン揃いですが、中でもミステリアスなオッドアイを持つこの男のことを白雪綱はみんなとは違う「好き」で見ていました。
性格が破綻しているのにどこがいいんだろう?とみんな首を傾げますが、破綻具合で言えばみんなどっこいどっこい、どんぐりの背比べ、目糞鼻糞を笑うです。

男はダンボールの中に適当に寝かし付けられている白雪綱の横に膝を付き、りんごの様に紅く染まった白雪綱の頬にそっと触れました。
温かくて、ただ眠っているだけの様に見えて、男はそっと睫毛を揺らしました。

まあ、本当に眠っているだけなんですけどね

この男も白雪綱のことが好きでした。
でもいわゆるツンデレで素直になれませんでした。
本当は追いかけ回して来る白雪綱をぎゅっと抱き止めたり、木陰で白雪綱が作ったクソマズイお菓子を一緒に食べたり、あまつさえ一緒のベッドに寝たいとも思ってます。
でもみんながツンデレツンデレといじるので、余計意固地になってました。

男は眠っている白雪綱の頬がりんごの様に紅くなることを知っていました。
なぜならいつも白雪綱が眠りに落ちた頃に寝室に忍び込んでいるからです。
紅い頬をふにふにしてみたりたまにちょっと舐めてみたり、起きないのをいいことに勝手に添い寝してみたりして、そして白雪綱が起きる前に寝室をそっと出て行きます。
素直になれないジレンマで屈折しまっくった愛情がストーカー行為に走らせていました。

「僕が君の王子様になれたらいいのに」
男は眠っている白雪綱にそっと呟きました。

眠っている白雪綱に悪戯するのは朝飯前なので、小さな唇にそっとキスを落としました。

するとどうでしょう。
白雪綱はゆるゆると瞼を持ち上げて、いつものあの柔らかい光を宿す瞳で骸を見上げました。
骸は目を見張って白雪綱を見詰めていました。

またストーキングしているのかとみんなが骸の元にうじゃうじゃ集まって来ました。
白雪綱は小さく欠伸をすると、大きく伸びてこう言いました。
「あ~良く寝た」
みんないい年ぶっこいてズッコケました。ノリは良い方です。

小さな唇からぽろりと落ちた毒リンゴの欠片を白雪綱がまた拾って食べようとしたので、オッドアイの男が素早くその手を叩きました。

白雪綱はちょっとボコられたけど、今日もみんなで仲良く暮らしています。
みんなは白雪綱のことが大好き。
白雪綱もみんなが大好き。
そしてめでたく白雪綱とオッドアイの男は結婚しました。
「骸はオレの王子様だよ」
「…!?聞いて…!?」
「うん。だって寝てただけだし」
「…」
とってもお似合いの二人は、とってもバカップルです。
 
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